夜中、突然目覚めてトイレに駆け込んだ。何か悪いものを食べたのだろうか... そんな思いが走馬灯のように脳裏に駆け巡り、 嘔吐 ⇒ 下痢 ⇔ 発熱 。
まるで水気の切れた雑巾を更に絞るが如く、この拷問にも似た地獄のような繰り返しに呻き続け、一夜が明けるころには意識も飛びがちになる。
唇もガサガサになり、舌もスポンジのように膨れてくる。
体の張りが無くなっていくことが解かり、肌の色を失った手足に力は入らず、冷たくなって開かなくなる。 だが、目の裏だけが異様なほどに熱い。思考も鈍くなり、感覚と反応がスローモーションのようになる。 "ヤバいっ!" 心の叫びか!? 生存本能か!? 薄れゆく意識の中で何かが「命」の危険をカウントダウンのように知らせてくる...
私は目覚めた。いや、正しくは意識が戻ったのか?! そこは、病院の診察台だった。
硬直しきった体は呻き声ですら出なくなり、必死で目で訴える。 断末魔もと言えるだろうか...
思いは、通じた。 「風邪ですネ―。」 この医者の一言で私は救われた...
- Yanmar
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